OGインタビュー 濱田智子さん(安芸市地域おこし協力隊OG)

濱田智子さん
安芸市地域おこし協力隊OG(2013〜2016)

〈現在の仕事〉
加工品の開発と販売、地域での移動販売などを経てこまどり温泉指定管理者に至る

〈夫のゆかりの地、安芸市で暮らしたい〉

 出身も育ちも東京でしたが、オーガニック生活情報誌の出版社に勤めていたこともあり、自給自足の生活への憧れがありました。夫が体調を崩し、ふるさとの高知に帰りたいとなったので、下見がてら夫の祖父母の家があった安芸市にやってきました。

 安芸市に住むと心に決めて、ではどんな農業支援があるのか?と市役所の農林課にいきました。当時はナスのハウス支援しかなく諦めて帰ろうと思ったら、企画調整課で地域おこし協力隊の募集があるからと案内していただきました。

 東京育ちでしたが引っ越してからのカルチャーショックはあまりなくて、山の人は考えが自立していて、人は人で尊重できてる感じがして、なんていいところに来たんだと暮らしながら今に至ります。

〈任期中は集落活動センターの会計を担当、卒業後は移動販売に挑戦した後こまどり温泉の管理者へ〉

 東川集落活動センター「かまん東川」は、私が来る前から地域の人たちで集落活動センターを作る話が進んでいて、あとは募集している協力隊員が来たらというところでした。

 着任してからは、集落活動センターの会計を任され、行事の段取りや実行も担いました。生まれも育ちも東京だったので、都会の人の需要はなんとなく分かる素地があり、メニュー開発や加工品作りも行うようになりました。

 卒業の少し前から、現在働くこまどり温泉のアルバイトを始めました。安芸市のチャレンジショップで、カフェと加工品販売をして欲しいとのお話もたまたま来て、カフェ担当の方と一緒に半年ほど加工品販売を担当しました。

 卒業前から「かまん企画」という屋号で個人事業主となり、柚子やお茶などの加工品を作りEC販売も始めたんですが、そこで私はEC販売が好きではないことに気づきました。

 2016年の春、卒業直前に移動販売をしてくれないかという地域の声がありました。正直大変だろうなと思ったし、実際も大変だったんですが、卒業後半年の準備期間を経て10月から6年間移動販売を続けました。地域おこし協力隊の起業支援補助金は、移動販売車に乗せる冷蔵庫と保管用の冷蔵庫の購入に使わせていただきました。

 2019年には、こまどり温泉の指定管理者も引き受けることとなったのですが、移動販売とのかけもちとコロナ禍で体力と気力の限界がきてしまい、移動販売を辞めてこまどり温泉の指定管理者に専念するようになりました。

〈今悩んでる人へ〉

 「これ!」って形を作らないほうがいいんじゃないかと思っています。制度はあくまで利用するもの。自分を変えてもらうものでもなくて、どんな道でも自分の中での位置付けがしっかりできていれば大丈夫。

 「協力隊の期間」というのは、自分にとって何なのか?勉強する期間なのか?住むためなのか?起業する場なのか?目的意識をしっかりもつ。

 なんでもいいけど自分には何があるのか?何をしたいのか?しっかり見極めるのが大切だと思う。しっかり自立、自律できたら求めるばかりでなく感謝も自ずとでき悩みも消えるはず!

〈スタッフも、来てくれるお客さんも、多様な“やりたい”が実現できるこまどり温泉へ〉

 今は指定管理者としてこまどり温泉にいますが、雇用主と雇用者という関係があまり好きではないんです。全体を見る人は絶対必要ですが、関係性はフラットにしたいという思いがあります。

 こまどり温泉は入浴だけではなく、地域の食材をふんだんに使用した食堂もあり、食事は東川地区には出前配達もしています。地域の資源を活かしたハチミツや紅茶など加工品の販売も施設で継続しています。奥に皆が集えるスペースがあり、ミニデイサービス「東川サロン」というおばあちゃんたちが温泉入浴に食事とおしゃべりを楽しんでいく場に育っています。

 スタッフみんながここを面白くしたい!良くしたい!と自己実現しつつ、きてくださるお客さんに楽しんでもらう。そんな形が理想です。だから、スタッフにはやりたくないことはやって欲しくないし、やりたいことはどんどん提案してやって欲しいと考えています。勝手にみんなが率先してやる状況を作り出すのが私の理想であり今の目標です。

〈〈取材を終えて〉〉

 ほんわかした雰囲気がある濱田さん。独特の語り口につい引き込まれながら、つい自分のこともたくさんお話ししてしまいました。頼まれるまま流れ流れて来たようで、心を決めるのは大切と芯の強さを感じる濱田さん。ぜひ皆さんにも濱田さんとお話しにこまどり温泉を訪ねて欲しいなと思いました。

※この記事は2023年11月時点の情報をもとに作成しています

取材担当:川島