OBインタビュー 神野達朗さん(黒潮町地域おこし協力隊OB)

神野達朗さん
黒潮町地域おこし協力隊OB(2020~2023)

〈現在の仕事〉
黒潮町役場 会計年度任用職員
アルコラセオンスポーツクラブ 代表(個人事業)

〈「協力隊ってなに?」 とにかく黒潮町に来たかった〉

 2017 年まで「高知ユナイテッドSC」に所属してサッカー選手としてプレーし、引退後はチームのアカデミーでジュニアユースの専属コーチを務めていました。その頃から黒潮町にはよく来ており、土佐西南大規模公園の環境と設備には惚れ込んでいました。

 妻の実家が黒潮町で、地元だったら安心して子育てができると思ったことに加え、いつか自分自身でスポーツクラブを立ち上げたいと思っているなかで、黒潮町は最高の環境なのにクラブチームが無く「先につくったもん勝ちや」と思ったことから、黒潮町への移住を決断しました。

 しかし、家族のことを考えると、いきなりの起業は難しいと思っていました。そんなとき、知り合いから協力隊のことを教えてもらい、役場の方に話しを伺うことになりました。話しを聞いた時は「何それ?」という感じでしたが、黒潮町に来れるならと、協力隊へ応募することを決めました。

〈地域に溶け込みながら、サッカースクールをスタート〉

 協力隊では移住相談員の業務を担当しました。前職では仕事に追われ、なかなか時間の余裕がなかったのですが、協力隊になってからは就業後に多くの時間ができるようになりました。

 はじめの頃は時間がありすぎて「何したらええの?」となっていましたが、せっかくできた時間を有効に使おうと、指導者としての勉強をするようになりました。

 サッカースクールの立ち上げ準備を始めたのは、協力隊1年目の終わりからです。まずは地域に溶け込もうと、町内のサッカークラブの代表の方に声を掛け、指導者がいない時に手伝いをさせてもらうことから始めました。実は後から代表の方に聞いた話ですが、その頃は全くウエルカムな感じじゃなかったみたいで、「こいつ変なこと始めるんじゃないだろうか?」と思っていたそうです(笑)。そんなことは全く知らず、保護者とコミュニケーションをとりながら、子どもたちの指導に取り組みました。

 個人事業として本格的に始めたのは協力隊2年目になった頃です。当初は20名程度の生徒でしたが、今は60名を超えるほどで、土佐清水市から通う子もいます。そんなに広報に力を入れてないのですが、しっかりした指導を続けた結果、それを見てくれる親御さんが口コミで広げてくれているのだと思います。

〈今後は地域スポーツの受け皿として〉

 今は、黒潮町役場の教育委員会に所属し、スポーツイベントや文化展の運営などをしながら、平日の火曜以外の夕方から夜にかけて、サッカースクールを運営しています。

 今はサッカーに特化していますが、子どもたちには、何かしらのスポーツに取り組んでくれたら嬉しいと思っています。黒潮町としては、部活動の地域移行の取り組みを進めており、今後はその受け皿となるクラブになっていけるよう取り組んでいきたいと思っています。

〈協力隊を検討中の方にひとこと〉

 みんなスタイルが違うので「これが良い!」というのは言い切れないけど、自分の特性を理解し、どんなミッションが自分に合っているかを見極めることが大切だと思います。

 だからと言って、考えすぎは良くなくて、ある程度の「勢い」も大事じゃないかな。考えたら不安のほうが大きくなって動けなくなってしまうので、まずは一歩を踏み出すことも必要だと思う。

〈〈取材を終えて〉〉

 言葉の端々から、サッカー選手として培った視野の広さと判断力を感じる取材でした。神野さんの活動に通じるのは、「相手が求めることを察知して行動に移すこと」。シンプルなことですが、自分自身と向き合い、自分の特性を理解しているからこそ、できることだと感じました。

※この記事は2023年10月1日時点の情報をもとに作成しています

取材担当:廣瀬